映画『世界から猫が消えたなら』を見て、子育ての軸を考える

娘に誘われて、見に行った映画。

『世界から猫が消えたなら』

i_sekaneko

画像は公式HPよりお借りしています。

「佐藤健が演じる30歳郵便配達員は、明日までの寿命を宣告されショックで呆然としたまま過ごす。
世界から大切なものを一つものを消すことと引き換えに、一日命を延ばすことができる。

一つものが消えることで、気づくこと、
それがどんなに大切だったか、
どんな大切な思い出があったのか
消えていったものと向き合う間に、本当に大切なものに気づく物語。」

 

途中から涙が止まらなくなり、親子で目を赤くして映画館を後にしました。
「誘ってくれてありがとうね」と素直に言えた映画でした。

娘は、「今まで見た映画の中で、一番泣いてしまった」と、12年間の人生を振り返っていました。
なんとも言えない感覚だったとのこと。

私は、似たような感覚...似たような経験をしたような気がして、
帰りの車を運転しながら、その感覚を思い出していました。

 

 

エンディングを考えることで得られるもの

 

大切な人との、大切な思い出、一緒に過ごした大切な時間。
2年前、宮本万里さんの「エンディング講座」の中で、私は1ヶ月かけて、
この時間についてゆっくりと向き合ったことがあります。

自分ひとりでは見ることができない方向から、これまでを振り返ったり、
自分では考えたこともないテーマで、自分が大切にしてきたものを見い出したり、
自分勝手な考え方では、感じることのできなかった愛情を気づかせてもらえたり、

まりさんが作ってくれた、安心&安全な空気の中で、ゆっくりと考え、
じんわりと気づくことができるなんとも言えない時間でした。

それから、自分の中に、「一つの軸」ができたような気がします。

他の人が考えたものではなく、
私がこれまでに与えてもらった愛情や、
子供を持つことで、初めて見えてきた周りの人の大切にしている生き方、
そして、どうしても譲れない、自分の中の想い
どんなことがあっても、手放したくないという自分の中にある強い想いが見えたからです。

 

エンディングを考えることで、子育ての時間も変わる

 

時々、「子育てをしていて感情的になることはないんですか?」
と聞かれることがあります。

もちろんあります。
娘たちが可愛いと言っても、いつも天使のような子供なわけではありません。
叱っても反抗することもあれば、平気でウソをつくこともあります。
一番言われたこないことを、一番嫌なタイミングでぶつけてくることもあります。

その時は、腹も立つし、頭にも血がカーッと!
思わず声を荒げることもありますが、そんな時は後から振り返って、
間違っていた時は小さな声で謝ることもあります。

でも、一度、自分の人生をゆっくり振り返って、
どれだけの人に迷惑をかけ、
どれだけの人の愛情を受けて育ってきたのか気づくことができると、
できることが変わってきます。

その当時、愛情表現とは感じなかったことも、後から振り返ることで、
その裏にある深い想いを感じることができることもあるのです。

ひとりで大きくなったわけではないんだな...
と思えた時に、自分の中で何かが変わるのではないでしょうか。

そんなあれこれを、心の真ん中に置いておくと、
子どもが成長したずっと先を見つめるようになるので、
今の感情をコントロールできるようになる気がします。

 

もしも娘がこの世から消えてしまったら

 

過去を振り返る中で、私の分岐点になったことの一つが、娘でした。
元気に生まれ、赤ちゃんの頃は、
「この子は丈夫な子ですよ!」
とお医者様にお太鼓判を押された長女でしたが、4歳の頃から、急に病気がちになりました。
高熱が出るような流行り風邪に、頻繁にかかるようになったのです。
一つ治ると、また次の風邪。
熱が上がると、眠ることができないくらいしんどいようで、夜中に何度も起きて泣いていました。
「おかあさん、しんどいよぉ」
といってくるので、抱っこして揺らしながら眠るまでそばにいて。
眠ったと思ってお布団に横にすると、またすぐ「しんどいよぉ」というので、また抱っこして...
そんなことを朝になるまで、繰り返すことがありました。

朝になって少し熱が下がっても、呼吸が早く、肩で息をしていることがあり、
おかしいな?と思い、病院が開く時間まで待って連れて行くと、先生がこう説明してくださいました。

「おかあさん、娘さんは、今呼吸が苦しいんですよ。
今、肩で息をしているのは、高山病と同じで、酸欠状態なんです。
夜眠れなかったのは、熱でしんどいのではなく、息ができなくて苦しかったんです。
小さいから、息が苦しいことをどう表現していいのかわからなかったのでしょう。
抱っこすると、身体が起きて気管少し開くのですが、横になると息ができなくなるんです。
夜中よりは楽になっているようですが、今もかなり苦しいはずです。」

私にわかるように、ゆっくりと話してくださったんですが、
「なぜ息ができない状態になっているのかの?」
急なことで理解できなくて、かなり戸惑いました。

それから、先生はこれから注意すべき大切なことを伝えてくれました。

「いつ診断するのかは難しいところなのですが、娘さんは喘息です。
これから発作が起きた時は、息ができるよう、救急外来に飛び込む必要があります。
熱がない時にも、急に発作が起こることがありますが、
小さいお子さんは自分からは言わないので、よく観察して、
少しでも様子がおかしい時はすぐに病院に駆け込んでください。
命にかかわることですから。」

その時は、「はい」としか答えられなかったのですが、
今まで元気そのものだった子が、急に喘息と言われても、
理解できなくて、どんなことになるのかも経験がないのでわからなくて、

もし「おかしいな?」と思わなかったら、
もし、娘が「おかあさんしんどいよ」と言ってこなかったら、
もし、その日が休日で、病院が開くまで待とうと思ったら、

息ができないなんて私にはわからないまま、
今抱っこしている娘の命は、
私の腕の中から、砂時計の砂のように消えて無くなってしまっていたのかもしれない

と気づいて、呆然としました。

 

昨日まで、「私がいなくなったら、子どもが...」なんて心配をすることはあっても、
明日娘が消えてしまうなんてことは、考えたことがありませんでした。

「子どもは、親を選んで生まれてくる」

と聞いたことがあります。

「この子は、なんで私を親に選んで生まれてきたんだろう?」

と思うようになってから、

「よそのお母さんではなく、私にできることってなんなんだろう?」

と考えるようになりました。

すると自然と、他のお宅と比較したり、同じようにしようとは思わなくなります。
子育てをする中で、この子にあった接し方を迷うことはありますが、
他のお母さんのやり方や、他の方の意見を聞いて迷うことはなくなりました。
「何をしてあげれば...」とついあれこれ先回りして用意したくなりますが、

まりさんのエンディング講座をきっかけに、父の接し方を思い出すことができ、
先回りせず、見守ることを心がけるようになりました。

 

やりたいことを、とめない努力

 

私の父は、口出しは一切せず、いつも少し離れたところから見守るタイプの父親でした。
好奇心の塊で、いつも突拍子のないことをやり始めるような娘だった私は、
何かやりたいことができ、親の承諾が必要な時は、
先回りして心配する母ではなく父と交渉することにしていました。

  • いい加減な気持ちではないこと
  • お金の算段を自分ですること

じっと目を見つめ、この2つが準備できていれば、大体のことは認めてくれました。

 

大学を卒業する時、両親にそれぞれ花束を用意して、

「大学まで行かせてくれてありがとう」

と気持ちを伝えたことがあります。

 

これは、私が思いついたことではなく、シングルマザーの母を持つ友人が、

「昨日ね、お母さんに大学まで行かせてくれてありがとうってお花渡したんよ。
そしたら、『娘三人大学に行かせたけど、そんなこと言ってくれたのはあなただけよ。』
って泣くんよ。いいこと言ったんかなぁって思った。
言ってみたら?親、喜ぶよ。」

そう教えてくれたからです。

「そうかな...」と思って、軽い気持ちでその日、お花屋さんに寄って帰りました。

父に渡すと、「お母さんに渡してあげなさい」と受け取ってくれませんでした。
母にも用意していることを伝えると、安心したように受け取ってくれました。
その時、ゆっくりこんなことを話して聞かせてくれました。

 

「わたしは、お前がやりたいと思うことを、とめない努力をしてきたつもりだ。
お前は、突拍子も無いことを言い出すから、心配もするし、どれだけやめさせようと思ったか。
でも、金も出さんが、口も出さんと決めた。
やりたいことにお金がついてこない時は、分不相応なことをしているということ。
今やる必要はない。ものが豊富な時代に、『足るを知る』ことも大事だ。
かわいそうに思ってお金を出すと、あれこれ口も出したくなる。
ぐっとこらえて、やりたいこと止めない努力だけをしたつもりだ。
これからのお前の人生に必要な経験は、自分で選んで準備できたはずだろう。」

 

わたしの大学生時代は、バブル絶頂期。
周りの友達は、親に車を買ってもらったり、ブランドバックを買ってもらうのが当たり前状態。
でも、我が家の方針で、学生生活に必要な学費と生活費以外は自分で用意する必要がありました。
わたしはバックパッカーで海外旅行に行くのも、スキューバダイビングやるのも、欲しいものを買うのも、
アルバイトで稼いだお金を使っていました。
今の時代では難しいことかもしれませんが、
あの時代は、まっとうな仕事をして学生が稼ぐのもそんなに大変なことではなかったのです。

 

娘に映画に連れてって!とせがまれて、見た映画のおかげで、
そんないろんなことを思い出す時間が持てました。

 

まだ反抗期真っ只中の穴の娘とは、いろんなことを語り合える時ではないけれど、
あんなにちっちゃかった君が、こんなに大きくなったのだから、
そんな時が来るのも、そんなに先のことではないのかもしれない。

その時まで、元気でいてね。
私も元気な70代を目指す努力をします。

 

 

 

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