【ドイツ・ハンブルグ紀行】⑤ドイツの教育事情
ドイツの教育費は、大学までほぼ無料。
(その分税率は高く、所得税は約40%。
稼いだ額の半分は税金に持って行かれる感覚ですが。)
子どもたちは満6歳で基礎学校に入学し、9年間の義務教育が続きます。
日本と違うところは、4年生(10歳)の時点で、
- どの上級学校に進学し、
- どんな資格を取得するのか、
自分の将来の進路を決めなくてはならないこと。
卒業資格と職種が密接に結びついているので、
自分の希望する職業に合った進路(上級学校)を選択するのです。
- 職人や工場労働者を目指す「基幹学校」
- 民間企業の一般事務職や下級・中級公務員になるための「実技学校」
- 大学に進学するための「ギムナジウム」
日本のように、とりあえず大学に行って、
就職活動の時に職業を考えるなんてことはなく、
将来働きたい分野を見すえて、それにあった教育を合理的に選択することができる。
もちろん、進路を変更しようと思ったら、学校に入り直したり方法はいろいろ。
どちらの国の制度が良いのかは別として、
親の収入にかかわらず、子どもが自分の将来に必要な教育を選択できる点は、羨ましく思います。
ハンブルグの街を歩いていたら、こんな公園を見ることが。
住宅が集まるコミュニティがあると、
そこには公園が。
森のような景観にも合っていて、いいな〜♪
なんて歩いていると、近くに小学校があるのだとか。
「これ、小学校の校庭?」
いまいちピンとこないので聞いてみると、
「小学生も遊ぶし、近所の子や誰でも遊べる公園かな?」
私がイメージする学校は、
がっしりした校門があり、塀でぐるりと囲まれた日本の学校。
どうやら、学校だけでなく、街づくりの点から日本とは大きく違うようです。
日本の不登校の子どもの話を聞くと、ドイツ人は、
「警察は迎えに来ないの?」
と不思議そうに聞いてくるらしい。
大学までの学費は国が負担するからなのか、
学校へ連れて行くのは親でも先生でもなく、警察のお仕事らしい。
それを聞いたうちの娘たちは固まっていた。
「日本でよかった…」とつぶやきながら。
連れてきてもらったのは、ハンブルグ大学。
塀に囲われた中に大学があるわけではなく。
「この碑より奥には、大学の建物が多いかなぁ〜」
という、曖昧な感じが新鮮です。
大学の建物は、アカデミックな雰囲気が漂います。
今は緑の樹木の並木道ですが、
秋は黄色に輝く並木道に変身するんでしょうね。
大きな木々に囲まれたハンブルグ大学周辺には、
ホテルやレストラン、郵便局やスーパー、一般の住宅があります。
こちらは、ホテル。
こちらは、一般住宅。
ラプンツェルが出てきそうな、ツタのからまるこの塔は、郵便局。
秋になると真っ赤に紅葉し、それはそれは美しいそうですよ。
ポストの色は、赤ではなく黄色。
ハンブルグ大学の地図がありました。
普通の街の中に、大学の建物が建っているので、
色のついた建物が、ハンブルグ大学という感じでしょうか?
学生食堂にも連れて行ってもらいました。
学生じゃないのに…と、ドキドキしながら食堂にむかったおばちゃん…。
学生食堂といっても、周辺に住む方も利用出来る食堂です。
そのためか、学食の価格は、「学生価格」と「一般価格」の2種類の表示がありました。
これは、ハンブルグではよく食べるというデザート。
煮詰めたチェリーを肉まんの生地で包み、アップルソースとシナモンをかけたという感じのもの。
初めて見るデザートでしたが、優しい味で美味しかったです♪
学生は、学生証を見せれば市内交通は無料で利用でき、
食堂も学生料金で利用出来るなど、優遇されています。
いろんなお話を聞きながら歩いていると、
道の脇にバッチフラワーエッセンスにも使われている、
ワイルドローズの花が咲いていました。
可愛い〜♥
大学のこの辺りから、なんとな〜く植物園が続いているらしい。
可愛いロボコンのようなゴミ箱を発見!
(ロボコンってわかるかしら?)
歩いてホテルに帰りながら、しみじみ考えました。
教育費無料かぁ…魅力的。
日本のように、どれだけ教育費がかかるかわからない不安を抱えるよりも、
税金を支払った分ちゃんと教育に予算を割いてもらえる方が、
親としては安心。
でも、お給料の半分ないと思ったら…複雑。
倹約家のドイツ人の暮らしを見習えばいいのかなぁ?
うちの娘たちは10歳の時点で、
選択できるのだろうか?
私は、親としてその子にふさわしいアドバイスをしてやれるのだろうか?
将来なりたいものを決められないまま、
試験の点数や成績に追いかけられ、
山のような宿題を抱えて夏休みを迎えた子ども達よ。
少し立ち止まって荷物を降ろし、じっくり考える時間を持ってみようではないか。
でも、大学受験がないので受験勉強もないこと、
夏休みのような長期休暇に宿題がないことを聞いたら、
うらやましがるに違いない。