いつもの平和記念公園に立って思うこと

今日は、運動会の代休。
劇的な一日から数日たち、日常を取り戻したいつもの広島の街の中を、娘と自転車で走り抜けました。

平和記念公園に立つと、

先日ここにオバマ大統領がいらしたことが夢だったかと思うような静かな朝でした。

通勤・通学の方が、足早に歩いて行きます。

 

 

一足先にサミット前にあわせて開催されたG７広島外相会合の時から、

街中は物々しい警備の様子に、少し緊張した空気が漂っていました。

 

オバマ大統領が広島入りした当日は、道路があちこちで封鎖され、

夕方の習い事に出かける娘を見送りながら、ドキドキ．．．

 

そんな心配をよそに、

「オバマさんの乗った車見よったんよ〜」

あっけらかんと帰ってくる娘。

そういえば．．．こんな昔々のワシントンDCでの出来事を思い出したりしていました。

車に乗って首都ワシントンDCの市街に入ると、警察車両と封鎖ゲートのためものすごい渋滞。
何が起こったの？と思いながら長い時間待ち、後から封鎖の理由を聞くと、

「大統領の夕方のジョギング」

とわかり、大統領が暮らす街なんだなぁ．．．なんて感じたことが。

その時と同じように、大統領が今、ここ広島に．．．なんて。

 

 

娘と急いで部屋に入り、テレビで中継される平和記念公園の様子を親子で見つめ、オバマ大統領の演説に耳を傾けました。

オバマ大統領の就任したばかりの就任演説・チェコプラハでの核軍縮演説を初めて聴いた時、

「世の中が変わる！世界が変わる！！未来は良い方へと変わっていく！」

と、胸が踊るような気持ちになってことは今でも覚えています。

 

今回の広島でのあらゆる方面への配慮をしながらの演説では、そんなオバマ大統領の熱い思いを持っても、山のような壁がたくさん立ちはだかり、夢を実現していくことの難しさを感じました。

大統領の職を離れた時、今回口にできなかった想いを伺う機会があることを願っています。

 

その後、日本原水爆被爆者団体協議会の坪井直代表と握手しながら笑顔で語り合う姿を目にした時、

「願い続ければ、いつかは届くのだ」

と胸が熱くなり、言葉で表現できない想いがこみ上げてきました。

画像：西日本新聞より

坪井直さんは、核のない世界を作るために「核廃絶」を世界に訴え続け、アメリカ大統領の広島訪問をずっと嘆願し続けた方です。

怒りも哀しきも超えた、たった一つの願い「核兵器廃絶」をまっすぐに訴え続ける姿を見せてくださった方です。

願いが実現することのなかったこれまでの長い間、どれだけの耐えがたい辛い思いを耐えて挫けず歩んでこられたのか。

頭が下がります。

 

歴代の広島市長・広島県知事もこれまでずっとアメリカ大統領への広島訪問を嘆願し続けてきました。

今回のオバマ大統領の広島訪問は、これまで沢山の方が長い時間をかけて努力を積み重ねてきたものがあって実現できたことでしょう。

地元広島の思いを背負った岸田外相のアテンド終了後のインタビューの感極まった姿に、ともにうなずいてしまいました。

 

 

 

大統領の訪問を実現するために動いてくださった方々、

そしてその訪問を意味のあるものにしようと心を砕いて奔走してくださった方々に努力に心からの感謝の気持ちとただただ頭が下がる思いです。

周りがどうあろうとも、大きな夢の実現のために努力を続け、願い続けることの大切さを目に焼き付けました。

 

今日代休の娘にせがまれたのは、映画『ズートピア』。

世界がより良いものとなるように、努力を重ね、警察官になる夢を叶えたちいさなうさぎの物語。

挫折しながらも願いを叶えるために前に進む姿を、娘は必死に応援していました。

この娘がどんな夢を心に持ってこれからを生きてゆくのかはわかりませんが、

できるだけ長く見守っていくことができるよう、お母ちゃんとして努力します！